特殊な組み合わせ5・牡羊座と蠍座

特別な組み合わせというのは中にはあると思っています。

それは例えば同じルーラー同士、あるいは同じルーラーだったもの同士。
中には分かり合えることはない組み合わせもあるが、
なぜか引き合うのは惑星のエネルギーが関係しているのでは。

ここではかつて同じルーラー同士だった牡羊座と蠍座の比較と考察。

牡羊座と蠍座の共通項

牡羊座と蠍座

かつてルーラーが同じ火星同士。
新たなものを開拓する牡羊座と、吸収して我が物にする蠍座。

イケイケな前者と一見クールな後者というのは、
一見すると折りが合わないもの。

「ピンと来なかったけど、意外と話をしてみると、話のわかる奴」というのがクインカンクス。

150度のクインカンクスはどちらかというとマイナーなハードアスペクトで、
クインカンクスなので交差することもあり得ないので
理解するには相当時間がかかるとされています。

五感もリズムも共有できないものの、
「異物であるものの、関心を惹くものがある」
「自分にないものが相手にある」という不安と魅力を併せ持つ感じ。

なのだけども同じ火星同士なのか?時に惹かれ合うこともある様子。

熱意の方向性が違うが、互いを干渉しないという意味では
時間をかけさえすれば分かり合える感じの組み合わせ。

同じ太陽同士でたまに見かける組み合わせ。

裏表無く即断即決の牡羊座に、裏がありつつ、貯めてじっくり浸透させた上で決める蠍座を理解するのと
限られた人にしか心を開かない蠍座がオープンマインドな牡羊座を見るというのは
一眼見ただけではピンとこないかもしれない。

「自己変革と衝突のエネルギー」を持つ火星の強いサインゆえに
分かりあうのに時間がかかるが、ぶつかり合った先に
強い絆が生まれる可能性もある??

この組み合わせに関しては共通項が火星以外にも、金星原理において存在します。

どちらのサインも火星を主星としているからか、
対向側の金星が苦手という共通項を抱えています。

自らの「美意識」を打ち出していくのが苦手。

前者は空気を読まない性質、後者は奥手がゆえに美意識を出すのが苦手で
美意識や平和的思想の開花に時間がかかる、というのは共通していると言えます。

どちらも「平和的美学の扱い」に不得手。

どちらも行動力、本能、生命力、戦闘気質に優れますが
剣を抜いて制圧を試みる牡羊座と、毒をもって制圧する蠍座の違い。

どちらも「制する」意志を感じますが、
やり方もテンポもまるで違うため、誤解が生まれやすい感じ。

美しさより本音・スピードが優先(=空気読まない)

 どちらも金星の示す調和性・社交性・装飾性”をうまく活用できないため
「人に好かれようとしない(またはできない)美しさ」が表現されやすい感じ。

「自分らしさ」というのがカリスマや魅力の源泉か。

牡羊座

牡羊座

サイン番号:1(始まり)
エレメント:火
区分:活動宮
タロット:4皇帝、16塔
ルーラー(最も相性が良い):火星
エクザルテーション(相性が良い):太陽
フォール(相性が悪い):土星
デトリメント(最も相性が悪い):金星

「始まり」を示す原始のサイン。
全ての12サインの旅路は、ここから始まります。
生まれたての赤ちゃんのように畏れを知らず道を切り開いていきます。

根拠というものに乏しいものの、周りの人をどんな形であれ
元気づけていくことができます。

牡羊座における火星は、何もない場所に開拓を目指していく積極性を示します。
そのため外向的・衝動的な性質が火星からもたらされる感じ。

何もないところ、そして初めてのことであっても躊躇なく、
むしろ火のないところに火を起こすことを好み、
既存の仕組みに従順なるままをよしとしないでしょう。

金星が苦手で、調和であるとか空気を読む、といった性質の欠如というのが
金星の苦手さを裏付けるところになります。

蠍座

蠍座

サイン番号:8(充実、変容)
エレメント:水
区分:不動宮
タロット:13死神、20審判
ルーラー(最も相性が良い):火星、冥王星
エクザルテーション(相性が良い):天王星
フォール(相性が悪い):月
デトリメント(最も相性が悪い):金星

「結婚」など何かの影響を受け入れることで「統合」し
大いなるものへと転身を遂げるサイン。

関係性の構築、深化のために火星エネルギーを使います。

その深化において、一度これまでの自分を洗いざらい作り替えて
別のものに置き換えるという形で「憑依」。

蠍座における火星は、内向的・執着的な火星。
関係性の構築・維持のために執着力を使っていきます。

こちらも金星が苦手で、美しさより本質・真意が優先(奥手・警戒心の強さの表れ)。
油断しているとやられるほどの「毒」を持っています。

ルーラーが冥王星になってから、火星原理の影響はありつつ
もっと違うベクトルのものに目が向きます。

蠍座ルーラーの冥王星は世界大戦や世界恐慌の時代に見つかった惑星で
しばしばこの時代にあった核兵器であるとか大戦争、
強大な権利や超エネルギーと結び付けられます。

関わったものの「構造」を根底から作り変える力がある、火星の上位天体と言われています。
同じく争いごとを示すが、冥王星は別のベクトルの軸で国家勢力を変えていくレベル。

関わったものの全てのあり方を変えてしまう、
太陽系最遠の天体で最も強力なエネルギーを持つ天体。

強大なカリスマ性、エネルギーと紐づけられ、なんとも言えない存在感を寄与します。
因果応報の惑星とも言われ、扱うには相当な手練でないと難しい惑星。

誰もが諦めたものすら改変する拠り所となります。
それゆえか、優れた占星術者はこの惑星を好む様子。

火星が「突破」する力だとすれば、冥王星は「変容」させる力。
つまり、火星が入口、冥王星が出口のような関係で
蠍座は「火星を超えた火星的性質」を担っていると解釈できます。

牡羊座と蠍座の相互の学び

牡羊座が蠍座から深謀遠慮、冥王星の力のように
力を持つものとしての落とし所と、他者に対しての慈悲を学び
蠍座が自分の殻を破る積極性、前進性、
自分の力を信じること、前例を超える力を牡羊座から学ぶ?
そうしたこともあって一応の相互補完はできる??

「個性の極致をどう扱うか」を互いに学ばせ合う、
火星と冥王星の「進化の関係」とも言えるでしょうか。

太陽と月でこれらの組み合わせがあったら?

太陽牡羊座:月蠍座
サッチー、レディーガガさんなど
→ 前に出るエネルギーと、根にある「圧」の強さが共存するため、外向きだが深くて濃い存在感。

太陽蠍座:月牡羊座
高嶋政伸さん、デーモン閣下、小池栄子さん
→ 怒り・情熱・鋭さ・演技力といった「一点突破力+ドラマ性」を併せ持ち、舞台映えする激しさ。

積極性が高くて濃密なキャラが多い。

共通して言えるのは、「濃さ」と「自分軸」の強さ。
「誰にも真似できないキャラ性」が特徴です。

総括

火星

火星的エネルギーの個性の衝突というのが、
この二つのサインの関係性、生き様を鮮烈にする感じ。

衝突、誤解、摩擦が起こりうる関係であるが
そのプロセスを経て「理解できないながらの信頼関係」
というのが見出せる可能性も見えてきます。

この積極性、能動性のベクトルの違いがあることで
「濃度」の濃さというのを窺わせます。

そうしたこともあって因果を感じざるを得ません。

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