「ザオラルメール」という用語があるように
冥王星エネルギーというのは誰もが何らかの形で使っているもの。
冥王星が示すのは「破壊と再生」のエネルギー。
終わらせるべきものにトドメを刺したり、
あるいは見向きもされない、すたれたものの再評価、蘇生というのも
使命になりうる蠍座冥王星世代の一員としても
冥王星のエネルギーについては思うところがあります。
一人の人間を新たなペルソナとして「蘇生」させたストーリーがあるので、
それを踏まえて冥王星のエネルギーについて改めて考察します。
もくじ
不完全な「生」だからこそ「死」を与える必要がある。

冥王星のエネルギーが強いということは、
これまでのことを一切合切否定するかもしれない、ということもあるでしょう。
途中まで進めたけど「やはりこれは違う」ということで
一度ゼロにして組み直したことは
仕事のプロジェクトとかでよくあるのでないでしょうか?
とても勇気のいることだけれども、中途半端で歪な状態で進めて
自転車操業になってしまって、歪んでしまったものが出来上がったり、
あるいは何も成し遂げられないこともあるかと思います。
自転車操業で欠陥が目立つ建築物を作ってしまったり
そういったニュースもありますよね。
そういう場合は「一度立ち止まってやり直す」ことも必要になる。
中途半端な「生」を続けさせることが明らかに負担でしかないのだから、
その物事に「死」を与えてあげるのもまた必要なことですし、
そのことは冥王星が強いエネルギーの人の特権だし、やるべき宿命であると考えます。
ここまできたけどやっぱり違う、と思い直して組み直すのは、
必要なことで、とても大事なことです。
何年後かに欠陥住宅としての欠陥が見えて大惨事が起きるように
いずれ取り返しつかないくらい破綻するくらいなら、
一度歩みを止めて、中途半端な流れと決別すべきです。
これはプロジェクトのチームビルディングとかでもよくあることではありませんか?
皆目的地があるのだが、皆電車で降りる駅(人生のゴール)は皆違います。
同じ駅で降りる人を選ばねばなりません。
水瓶座冥王星ということは友愛的な要素にも組み換えがあると考えます。
今のグループのそのメンバーは、本当に皆同じ駅で下車するのだろうか??
冥王星に託される継承とリビルド

冥王星をルーラーとする蠍座が「受け継ぐもの」としての定めがあるとするなら
冥王星にもそのエネルギーが強いと考えます。
もらったものというのはただ単にもらってそのままにするのでなく
何らかの用途で使われて形を変える。
借りたお金を私利私欲のままに使い果たしてなくなるかもしれないし
あるいは利息をつけて返せるような感じで収入を得るかもしれない。
「継承と革新」というのはビジネスの世界でもよく言われることですが、
それは冥王星に当てはまることだと思っています。
冥王星は何かの「死」をトリガーにして、ある物事の所有権をスイッチさせます。
継承した物事はスイッチした先のペルソナに書き変わります。
長い歴史の有名ラーメン店が代替わりして、味が書きかわるように。
昭和時代に作られた屋敷を祖父母の遺産でもらって、
屋敷は昭和の作りでは通用しないから、令和の最新技術で耐障害性を高めたり。
受け継いだものをモダンな感じ、
あるいは新たな時代の幕開けと言わんばかりに書き換えることもあるでしょう。
もらったものをそっくりそのまま受け継ぐ、というわけでないということです。
今の時代とか、これからの風潮に照らし合わせなければならない部分もあるから。
冥王星が示すのは「世代間ギャップ」でもあるので
受け継いだ時代における冥王星の性質に伴って、
時代に沿った構造に変えて「世代間ギャップ」を埋める必要があるのです。
蠍座や冥王星は物事の「死」がトリガーで、大きく人格を変える。

ということは、蠍座や冥王星というのは何かの「死」を伴って
大きな自己変革を行うということです。
その「死」というのは物質的なものかもしれないし、精神的なものかもしれない。
引っ越しをして旧住所の時代だった自分に「死」を与えて
新たな住所における自分の「生」が誕生するように。
私自身も蠍座がサインオーバーしており、蠍座としての性質が色濃い部分もあります。
かつて「成功者」としての成功に固執していた部分が、
愛する人の「死」を契機に切り替わったことがありました。
それまでは起業での成功に固執していましたし
「誰が本当に自分にとって大事なのか、考えろ」
と、自分に真っ当なことを言う人がいても、それを聞き入れることはなかった。
「成功者」を狂信的に崇拝して、「彼らの言うことさえ聞けば自分は成功する」
と信じて疑わなかったのです。
「成功者」と言われる人たちに狂信的に追従していたものの、
ある時に敬愛する父方の祖母の「死」と言う事態に直面しました。
私は慟哭し、これまで祖母に向き合えなかったことを懺悔し、後悔しました。
「誰が本当に自分にとって大事なのか、考えろ」と言われた意味に、
「大切なものは失って初めて気づく」ということに
大切なものを失って初めて気付いたのです。
とても悲しかったし何も出来なかったことが悔しかった。
そこから私は大きく人格が書きかわったのを覚えています。
そして同時に、物事には確実に「死」があるのだと、認識しました。
その出来事があってから初めて「物事の始まりと終わり」「魂」を
明確に、本格的に意識して、死生観というのがまるで変わった。
まるでスイッチが入ったかのように、別の人格になったのを覚えています。
それまで起業家としてどこか調子に乗って浮ついた自分を演出していたのですが
命というのを時間が限りあるものと認識してからは、「大切なもの」が何かを認識してからは
「大切でないもの」を意識してかしないでから、切り離すようになった。
水サインの特徴でいうところの結合、そして分離というところでしょうか。
蠍座でいう「排泄」の作用が行われて、必要ない人間関係を全て切り離すようになった。
ある一つの物事の「死」があることで、強大な力を持つ人物への崇拝、
という感情の「排泄」が行われ、崇拝をやめた。
蠍座、もしくは冥王星は物事の死と生での大きな感情の激流を伴い、
自らを大きく変化変容させる。
何らかの出来事の「死」と「生」が、大きくパーソナリティの変容に寄与するのです。
総括

本当の意味で変わるには、物事の「死」がもたらされねばならない。
物理的なものか、精神的なものか、それは当人にしかわからない。
「死」によってもたらされたペルソナの変容で、
前の人格に戻ることはできない、
というのは蠍座的性質が強い方なら経験があるのでないでしょうか。
後戻りの効かない本格的変容というのは
魂レベルで新たな形で生まれ変わるもの。
そのことに気がついたら、自らが何らかの出来事に終わりを告げねば
変化変容がもたらせない、ということに気づいてくるのでないでしょうか。