海王星は非日常を体験させてくれる惑星。
これは魚座や12ハウスの意味合いと連なります。
12ハウスは非日常の世界であり、非日常なことに強力な夢を見る。
夢や理想というのはすごく良いことではありますが、
あまりにも果てしない夢や理想というものは
時として大波となって、私たちを飲み込んでしまうのです。
もくじ
「人は夢を見るからこそ、成長する」海王星のエネルギー

旧占星術では土星までが認知されている天体で
7惑星の中では土星が最強にして最後、という認識でした。
土星というのは私たちが目指す社会的ゴールにして、私たちの限界値です。
土星というのは枠組みを設けて、そこに上限、限界を設けます。
だからこそ土星、現実の延長線上だと
そこで進化成長がとどまってしまう。
例えば会社でいうプロジェクトを赤字にしないこと、
とかせいぜいその程度しか出てこないわけです。
「人は夢を見るから成長する」
夢を見るからこそ人は理想の住処を手に入れたり、
これまで発展してきてるわけです。
人は夢を見ないと成長がそこで止まってしまう。現状維持に甘んじてしまう。
こうしてテクノロジーが発展して
豊かなライフスタイルを築けるようになったのだって
テクノロジーが発達するまでに至った「願望」が元になったのだから。
トランスサタニアンはどれも「使い方を間違えなければ強力」
という表現が共通して言えるでしょう。
この海王星のエネルギーというのは非常に強力で、
時に無情な現実を乗り越えてしまうほどの力を与えるのです。
土星の枠組みよりも強力な「夢」「理想」の海王星

先ほども書きましたが現実世界は土星が支配しているので、土星が最強の存在です。
土星が枠組みや物質化のエネルギーをもたらしているし
「時間」という枠を設けてキビキビとさせているし。
時間を決めてやるから何事も締まる。
ルールを決めているから、必要に逸脱することもない。
こうして土星の縛りがあるうちは安心して活動できるわけなのです。
決まりがないと必ず逸脱する者がいる。
収拾もつかなければ、社会に追い達成したいことがわからない状態で行動しても
モチベートも何もない。だから土星の作る枠組みは必要になる。
社会的意識をもって社会に出て働く。
しかしそんな土星原理にいると、土星原理の強くないものからすると嫌がるもの。
どんな手を使ってでも会社のような束縛著しい世界から脱したくもなる。
現実世界が過酷な地獄にも映る。土星がタロット「悪魔」の意味も含まれているので、
現実から出そうとしないし、本当は縛られた身でいた方が楽だからそのままでいたい、
そんな情景が窺えるようです。
なんにせよ物理次元に囚われていると頭打ちの状況がずっと続くのです。
おうむ返しのように同じことを繰り返しまくってしまう。
しかしそんな規則や束縛だらけの現実に嫌気がさしてしまう。
海王星のエネルギーはそこに付け込むかのように
果てしなく広がる理想、甘い夢を見せる。
決して届かぬ幻惑の世界。果たしてその夢は本当に手に届くところにあるだろうか?
夢というのは水のように掴めず儚いものなのです。
儚いものなんだけども、海王星の方が土星より遠縁なので
海王星の方がエネルギーが強く、いかに堅固な法律や仕事があっても、
土星を上回ってしまい、時に土星の作ったモラルすら打ち破ってしまいます。
壮大な夢のエネルギーは強烈で、これを上回るのは冥王星エネルギーだけです。
力関係は海のエネルギーの方が強く、ただただ海の藻屑となってしまう。
トランジット海王星の影響で海の藻屑となったこと

自分が海王星のトランジットにやられて、高すぎる夢に溺れた時期もありました。
何度か話したが、ネイタル月ートランジット海王星トラインの時期。
トランスサタニアンは、トラインすらかなり強烈。
会社という土星に地に足がつかない時期で、会社にいることが憂鬱で嫌になった時期。
起業塾にいた頃で、ITフリーランスとしても駆け出しの時期でした。
それも相まって、会社で働いてという奴隷極まりない生き方が
嫌で起業家を目指していた時期でした。
会社すら辞められる強大なスピリチュアルエネルギーに興味を持った時期。
「宇宙と繋がる」というキーワードにすごく惹かれていた時期で、
「宇宙と繋がる」ことにすごく夢を見ていました。
土星の縛りを乗り越えるスーパーパワーに夢を見て、スーパーマンになりたいと思ってた。
その当時は毎日重いものを担いでの疲労でクタクタになってしまって、
常駐先で居眠りしてしまって、そのことが原因でクビを宣告されました。
クビを言い渡された当時は確かにショックだったのを覚えています。
だったんだけども、いま思えばクビを宣告されて良かったと思う。
おそらく無難に行こうとしても絶対長続きしないし、
その会社で長く勤められるイメージも全く湧かなかった。
残忍な結果であるが、これで良かったと思う。
間違った夢を見ていただけで、その夢を見る精神状態だった私がどうかしていた。
間違った選択を信じたが故に悪しき夢を見たというだけの話。
現実はクビになったということで散々だったが
土星を踏破した世界で夢を見れたことに対して後悔はしていない。
海王星の示すのはアルコールや妄想というのがありますが
「間違ったことを信じている」状態だと
これらの悪い側面に飲み込まれる、という一例ですね。
総括

海王星の濁流に敵うのは冥王星しかいません。
冥王星を扱うのは容易でないので、多くの場合は夢に呑まれてしまいます。
私の失敗から言っても、自分のオポジションとなるような
自分の行動や方針に対して客観的な視点が欠けていたこと。
そういった人物がいれば、また結果も違ったかもしれない。
だとすると海王星のエネルギーの迷いを打ち払うのは、
自らの対抗側になりうる存在とも言えるのでないか、と思っています。
しかし人は誰しも夢を見るもの。そのことを誰も咎めることはできない。
正しい選択に基づいた夢を見て、その夢を実現するための正しい選択が大事。