キロンが教えてくれる「見えない傷」と叡智。傷を癒す過程で気づかせてくれるものがギフトである。

キロンが示すのは医療や占星術。
大まかには「自分が先天的に抱えた癒えない傷」とされます。

その経緯からするにホラリー的に見てもどちらかといえば
マレフィックに当たるであろう惑星。

傷を癒していう中で学びを得る。
もしくはその人が学びたいものを示す、というところか。

トランジットにおいても、そのサイン、ハウスにまつわることを
学ばせてくれるのでしょう。

今回はキロンについて特集します。

「癒えない傷」キロンが学ばせてくれるもの

射手座

キロンはケンタウロス一族のケイローンが元に名付けられた小惑星です。
ある日ケイローンが受けた、致死に至るほどの毒矢であったのですが
彼は不老不死であるが故に死ぬことができず
死ねない身体で猛毒の苦しみを味わっていました。

ケイローンの不老不死をオリオンが請け負ったことで
ケイローンは終わりなき苦痛から解放され、
ケイローンの功績を称えたゼウスが彼を天に還し、星の一部としたという逸話があります。

こうしたケイローンの毒矢のエピソードから
キロンは「どれだけかけても癒えることのない傷」を示すとされます。

またケイローンが医学について詳しい博学の教師である経緯から
射手座のような専門性のある学問(占星術や天文学、形而上学、医療全般など)を示すともされます。

キロンは占星術の研究が進めば、
おそらく射手座のサブルーラーとかになりそうな惑星とも言われています。

ケイローンは蠍座の象徴とも言われる魔女メディアにも相談を受け、
類い稀な叡智を授けたと言われる智者です。

一般的にはキロンというのは、一生かけても治りようのない傷を癒す過程で
自分にとって高尚な学びというものを得ていく、というところにあたるのでしょう。

50年に一度の転機であるキロンリターン

キロン

キロンも十惑星に次ぐポイントとされ、4年に一度のペースでサインチェンジします。

そのため中々その影響が表立つことはないでしょうが
キロンリターンなる事象も50年に一度はあります。

キロンリターンは辛さと向き合う出来事が何らかの形で現れる、とされており
50代を迎える頃には自分の傷と向かい合う時期とも言われています。

この時期を乗り越えることで人として一皮剥ける、ともされています。
キロンハーフリターンは20代半ばくらいでしょうか。

そうした具合に、サターンリターンとはまた違ったベクトルでの
「試練の時期」というような感じで占星術の界隈では認知をされているようです。

トランジットキロンがもたらした過去からの記憶

キロン

キロンがトランジット的にどういうものをもたらすか
私の体験談ベースで語らせてください。

私の個人的な体験ですが、牡羊座キロン逆行中に
トランジットキロンがネイタルの太陽(+天王星)とトラインを形成していました。

キロン逆行の影響は人によりけりで
おそらく過去の傷の立ち返り、
というところの意味合いになるかと思います。

私の場合は逆行しているトランジットキロンが7ハウスで運行していました。

何を思ったか、過去に関わったある人物の話をしたくて仕方がなかった、
あるいはその人物を彷彿とさせる人とのコミュニケーションを余儀なくされた、
ということがありました。

私にとって、過去に出会った関わりの深い人物は
もう金輪際出会うことはないと思っていたのですが
なぜかしぶとく振り返りの機会を求められるかのように
思い出させられる、ということがありました。

そして気がついたら、何度もその人物との過去の思い出について話をしている。

キロンが逆行している、ということが分かって、なぜここにきて、その思い出話をしたくて
仕方なくなったのか分かったのです。

個人ネイタルの太陽と天王星に逆行中のキロンがアスペクトを作っているからでした。

3ハウスの太陽、天王星なので、コミュニケーションを通して
何らかのストーリーを出力する傾向にあるでしょうし
キロン逆行なので過去に立ち帰りたくもなる感じになるだろう、と。

キロンは私から見ると7ハウスにいるので、7ハウスは「自分以外の他人」。

だからこれが3ハウス太陽とかとトランジットすると
「本質的に、過去に出会った自分以外の他人について話したくなる」
というところなのでしょう。

個人で見ると、トランジットでどのハウスにどの惑星がいるか、
事情がそれぞれ異なるし、ネイタルも個人でそれぞれ異なります。

だからこそ現実は自分が作ると言えるのです。

私にとって逆行中TキロンーN太陽トラインのこの時期というのは
過去に出会った人物を彷彿とさせる人物とのやりとりも盛んになって、
太陽が示す「未来」に進んでいるようでいて、
振り返りを同時にせざるを得ない状況であったりもしたのでした。

ただその振り返りというのも、何らかの「ギフト」に気づかせてくれるから。
先に進むための「詰まり」を解消するために起きている、と解釈します。

総括

キロン

いくら星のことを知っていても、結局は体験ベースの出来事が頼りになる。
知識がいくらあっても体験に勝るものはない。

知識を知ったら今度は体験をするなり振り返るなりするのが、
星の影響を伺い知れるヒントになるのだと思います。

今回はキロンについての考察と、トランジットの影響について少し記載してみました。

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