土星はゴールまでの道筋を敷く惑星です。
そこからそれないように地盤を作ったりさせていくのです。
見方を変えると「束縛」「制限」という意味合いがあるので
どうしても辛い人生を想像しがちなもの。
まぁ実際に土星がトランジットでやってくる時期というのは忙しいし、
休みたい意志とは裏腹に強行軍ばかりで
どこで休みを取ればいいのか分からないような感じにもなるでしょう。
それだけ土星の示す「ビジネス」があるってことでしょうが。
ともすれば窮屈な人生だが、道を違えるリスクが少ない、
というのが良いところであります。
ここでは太陽ー土星の絡みについて考えていきましょう。
もくじ
太陽ー土星のアスペクト

ネイタルの太陽にトランジットの土星がスクエアとか絡んでくると制限がかかったり、
あるいは土星の示す要素(牡羊座土星なら何かを切り開くことをさせられる、など)
に対しての責任が伴ってきて、そうした要素を鍛えられることになります。
いわゆるしんどい時期というのは土星が絡んでいることが考えられるところ。
土星というと、「冷やして固める」性質があります。
土星が絡んでいると凍結させるような感じで、縛りを感じることもあるでしょう。
時間がかかるに連れてそのエネルギーが適切に開放されてゆく流れになります。
太陽というのは「父親」を示すので、太陽と土星の絡みというと
父親とどう絡んでいたかというのが伺えるところ。
土星がハードであればあるほど躾が厳しかったとか、厳格で真面目な父親像、
という見立てになってくる、という感じ。
ケーススタディ 太陽ー土星180度

時間とか決まり事とか枠組みを示すのが土星。
時間が明確でなかったら、好き放題やっていいということになってしまう。
バスが来るのは何時?というのがわからなかったら
どのタイミングでバス停行っていいかわからないですし。
バスはあなたの都合に合わせて走っているわけでも、好き放題走っているわけでないから。
規律を守るというとなんとも重苦しいけど、
それも全ては日常の運行を安全運転にするためです。
マイルールというのはそうした社会での決まり事を守ってゆくうちに作られていきます。
それが歪んでいることに気づいて辞めさせるのにとても時間がかかるのです。
オポジションなら客観的に見れるから、気づいた人が辞めさせるまでもないかもしれないですが。
私の昔お世話になった同僚の方に、太陽ー土星が1度以内で180度の方がいました。
太陽は土星を示すので父親との関係性もこじらせており、何かにつけて「固い」人でした。
いい人なんだが、とにかく「固い」。
自分の中で形成された土星ルールを懸命に守ろうとしつつ、
土星の示す社会に対して反発するという、とてつもなく自分の中で忙しい人でした。
社会の仕組みのあれがおかしいこれがおかしい、
ではどこに「正解」はあるのか?
あちこち放浪した末に「正解」を手にした人物でした。
私はこの方に大変お世話になって、
健康に関する知識とか、お金に関する知識とか
一般社会が教えなかった知識というのを教えていただいたこともありました。
彼は社会に、会社に反発して、やがて会社と対立して、休職してしまった。
その休職した1年の間に、様々な知識を身につけて帰ってきたのです。
この元同僚の方が自らの中で葛藤した結果、
「これは正しくない」「これは正しい」
その精査した結果というのを、教えてくれた。
土星は「教師」の星でもある。
老成した経験者で、様々な葛藤の末に得たものを私に教えてくれたんです。
また、道を激しく誤った私に対して、唯一的確なアドバイスをくれたのも彼でした。
「9割の嘘、1割の真実」と言えば良いのでしょうかね。
土星というのはゴールへの道筋を敷こうとしている惑星で
そこからコースアウトしないような人生を歩ませようとします。
ゴールの道からそれて道を誤った私を、ちゃんとした道に戻してくれた。
このように土星のさせた苦労というのは、どこかで誰かに対して教えるためではないのでしょうか?
太陽ー土星0度

人生の方向性を示す太陽のエネルギーと
人生の到達点へ向けて努力させる土星が組み合わさっており
自分のゴールに対して自己完結的なところがあります。
土星が人生のゴールを示してくれているので、人生に無駄がなく
ただただストイックに努力してゴールまで行こうとします。
故に自分の本質的なところを表に出すとか、無駄を省いている感じになるところ。
土星がしきたりを示すところで、
父親からその影響というのを強く受けた可能性があります。
何かと管理されたり厳しかったり、
幼少より勤勉で厳格な父親のイメージがあるのでは。
自分の人生の方向性を意識づけたいのだけども、
その意識づけが慎重になってしまう。土星は制限をかけるから、
本来のイキイキした主張が発揮できないように映ることもあるでしょう。
太陽ー土星60度

同じポラリティ(男女サイン)であり違う元素である組み合わせで成立します。
直接的でないところからルール意識を育てていきます。
父親や年長者などの教えよりも、自分で読んだ本の登場人物の影響であったり、
そこからルールを形成するようなイメージ。
土星はゴールへの方向性を示す道筋を整えていくので
人生の方向性(太陽)が大きく逸脱することなく秩序正しく生きていくことになるでしょう。
元素が違うのでスムーズにいくというよりは別のベクトルで支援される形。
どの元素で形成されているかみるのが鍵と言えます。
レールを敷いてくれこそしますが、ここに土星よりも遅い天体がハードだと
このルール意識がメチャクチャになることも。
太陽ー土星120度

ややレガシーな風習の企業や組織で信頼され、力を発揮しやすいと言われる配置。
太陽という人生の方向性を土星が示す組織的なゴールのために制限することもできる上に
それを苦痛と介することがないので、年長者に好かれる性質があると言えるでしょう。
ルール意識や制限に不平不満を持たないので決定が遅い傾向があるものの
人生をコースアウトするようなことは少ないでしょう。
土星は遅延をもたらす要素がありますが、土星は大器晩成という
しっかり時間をかけてゴールまでの道筋を作るので、
安定したものでない限りは即決即断したくない、という意志が現れます。
太陽ー土星90度

人生の方向性を定義づける太陽と、人生の社会的ゴールイメージを示す土星に矛盾があり
実生活をしていく上で葛藤が生まれます。土星に父親のイメージや、周囲から社会の成功イメージが刷り込まれると
自主的な生き様を目指したい太陽が「それは違う」と反発するような形です。
そんな自分の内面を表したように、外の世界で年長者や権威者に反抗するケースもあります。
葛藤しつつ、若年期は太陽に向かっていきますが、歳をとるにつれ土星の意図を汲み取ります。
若年期と老年期の間の期間で、人生における軌道修正が求められるところ。
90度は「他のエレメントをあえて経験した上で元に戻る」性質なので
迷いがありながらも本来歩むべき道に落ち着く、という結末に至るでしょう。
その迷いが身になる経験値を作っていくと言えます。
太陽ー土星180度

土星の制約が太陽という自分らしい生き様というのを、直接ターゲットにして
規律を何が何でも守らせる厳格な性質にします。
土星という年長者の言い付けを忠実に遂行することになるでしょう。
固く真面目な人物が多い配置であるが、90度ほど矛盾がないので大きくブレることはないでしょう。
言いつけを守る性質から、後継者のような性質に優れ、年長者から見ると
忠実な良い目下の人間と映ります。
ストイックになることを美化しがちなところも。
太陽も土星を目掛けていくので、土星の示す年長者、権威的人物に出会おうとします。
総括

私が思うに、土星が絡んでいると、特に太陽なんて人生の方向性なので
こういった絡みがある人は「人生の教師」になれる素養があるのではないか?
と思っています。
土星の強い人は人生の教師みたいな側面がある。
そのことが道を逸れない人生を歩ませてくれるのです。
苦労した人生だから余計に重みがある、ということでしょう。
石橋を叩いて渡らせる、人生山あり谷ありだから一喜一憂しない感じがします。
ま、いつかは解き放つ時が来るかもしれませんが。