「中年の危機(ミッドライフクライシス)」は人生において軌道修正を促される時期。火星期のエネルギーが試される。

今回取り上げるのはミッドライフクライシス、
いわゆる「中年の危機」と言われること。

自分の仕事のことや家族、人生のことを思い悩む
中高年特有の悩み、葛藤に苛まれる時期。

いつだか厄年の一角として紹介させていただいたものですが
今後動画で撮影することもあって、
再度ミッドライフクライシスについてまとめることにしました。

中年の危機(ミッドライフクライシス)とは

中年の危機

大体30代後半〜40代中盤くらいに差し掛かるにあたって
キャリアに転機を迎えたりして、自分の人生の指針を見直しをかける時期。

仕事を変えたくなったり、あるいは仕事を辞めさせらたり、
ある時捨てた夢を忘れられず苛まれたり。

自分のネイタルチャートのトランスサタニアンと
トランジット運行中のトランスサタニアンが
ハードアスペクトになる事象のことを指します。

中年時代というのは年齢期でいうと、
活力を活かして道を切り開こうとする火星期。

これは誰しも避けられない時期で、自らの火星力が試される時期になります。

極度な自由意志を求める、天王星同士のオポジション

天王星

天王星同士のオポジション解釈は以下。

T天王星ーN天王星180度

『これは人生で最も重要な時期の1つです。これは占星術では中年の危機に相当し、
40~42歳頃に起こります。落ち着かなくなり、自分の人生に疑問を持ち始める時期です。
常に自分の運命を自分で決めてきたタイプの人であれば、このトランジットを落ち着いて対処し、
人生を活気づけるために必要な変化を起こすでしょう。満足感を持って過去の業績を振り返り、
別の、またはより新鮮な分野に移るかもしれません。ただし、自分の本能に従うのではなく、
他の人を喜ばせようと人生を送ってきた場合、このトランジットを非常に不安に感じるでしょう。
あなたは制約から抜け出したいと思っており、性格からかなり外れた行動をとるかもしれません。
他の人を驚かせ、自分自身さえも驚かせる可能性があります。
基本的に、これは再調整の時期であり、より多くのスピリチュアルな価値観を取り入れ始め、
自分の内面の感情に人生を向け始めます。この移行は、この時期の緊張の結果として危機が発生する場合もあり、
かなり困難になる可能性があります。しかし、生活に必要な変化を拒否すると、
人生がむしろ無意味になることがあります。一方で、新しい道を探すときに、
大切なものを失わないように注意する必要があります。バランスの取れたアプローチが必要であり、
人生に前向きな変化を慎重に取り入れる必要があります。
そうすれば、変化から恩恵を受け、解放感を感じることができます。』

ソフトで計算したら、私の場合44〜45歳くらいの出来事で
大体火星期が終わりに差し掛かる頃という感じでした。

トランスサタニアンの先鋒である天王星に試されるのは
時代の変化に対しての柔軟な対応力、実際に対処するための知性。

その人の天性の資質と、時代のギャップのズレにより生じる苦難、とも言われています。

例えるなら、急に仕事で転勤になったり、
あるいは職場を辞めさせられるようなことになったり
天王星らしく唐突な変化、というのが考えられること。

また解釈にもあるように、落ち着かなくなって人生について考えだしてしまうこと。
天王星は自由意志を求める惑星なので、これまでの枠に囚われたままを嫌います。

ましてオポジションというハードアスペクトなので、その自由意志というのが
より大仰なアクションとして体現されるように刺激されてしまう。
そのことで自分や周囲が驚くようなことをするかもしれない。

土星という枠組みから外れた世界の天体なので
自分の内面の価値観、時に形而上学的な価値観に踏み入れて
自らの「再調整」を行うことになるかもしれません。

唐突な出来事を連想させる天王星に対しては、機転が効くことが第一に求められるのです。

人生の夢の再定義を行わされる、海王星同士のスクエア

海王星

ネイタル海王星とトランジット海王星の90度の形成の時期も中年の危機。
ソフトで見たら、私の場合で39〜41歳くらいの間で、およそ2、3年前後。

海王星同士の90度の解釈は以下の通り。

T海王星ーN海王星90度

『占星術には、社会が「中年の危機」と呼ぶものと関係するトランジットがいくつかあります。
これはそのうちの1つで、通常は40代前半に発生します。このトランジット中に、人生の目標と夢を再検討します。
チャールズディケンズのクリスマスキャロルの物語の登場人物スクルージのように、
過去、現在、そして将来のビジョンを振り返る機会があります。
達成したことと、まだやるべきことが分かります。達成したことがほとんどないことに幻滅を感じる場合もあります。
問題は、現在、失敗の感情に陥りやすいことです。しかし、より前向きな見方をすると、
このトランジットの終わりまでに、どのビジョンが単なる希望的観測で、
どのビジョンが達成可能であるかについて多くの洞察を得ることができます。』

海王星の示す「夢」「理想」の描き直しを試されるシーズン。
諦めきれない夢があり、そしてそれが叶わない状況という現実と理想を突きつけられる。

思い描いていた理想通りいかず「こんなはずでは」と
何かとモヤモヤしやすい時期が続くでしょう。

現実があまりにも濃度が強いので、どうにも失敗した感じを強いかもしれません。

この期間を利用して、実現したいものとそうでないものの仕分け、
実現できるものできないものの仕分けが行われるでしょう。

人生の破滅的危機との戦いである、冥王星同士のスクエア

冥王星

そしてラストは、トランスサタニアンの最後に位置する冥王星。

この冥王星同士のスクエアが一番強烈で、
自分の自信をへし折られたり、挫折に見舞われやすい、とされています。

神経症を発症しやすい時期であるとも言われています。

私の場合で40〜43歳くらいの間で起きていたので、
冥王星の運行の遅さも相まって、最も長くそして辛い時期であるのが伺えます。

冥王星同士のスクエアの解釈は以下。

T冥王星ーN冥王星90度
『これは人生で最も難しい通過の1つであり、この間にあなたは自分の過去を再評価し、
邪魔になっている時代遅れのパターンを捨てることを余儀なくされます。
これは、深く根付いた古いパターンや習慣を一掃する動機となる
中年の危機の1つであると言われることもあります。
これは、自分の最も深い動機と感情を再評価する時期です。
自分の人生を自分の最も内なる欲望や野心に従わせたいというより深い衝動に駆られて、
より強情になるかもしれません。あなたは、あらゆるマンネリから抜け出すことを余儀なくされます。
冥王星のエネルギーは時として容赦ないものとなるため、手放して自分の快適ゾーンから抜け出す過程で、

いくらかの痛みを感じるかもしれません。しかし、このプロセスは再生の過程であり、
より軽い荷から来る新たな活力で残りの人生に取り組むことができると感じるでしょう。
これは、自分の意志の力が、個人的で利己的な欲望ではなく、
誠実さと真の精神的目的と一致していることを保証できる場合に特に当てはまります。』

根っこにある深淵の思想というのが冥王星から生まれてきたもの。

生まれた時代における究極性のある集合的価値観と、
現代の集合的価値観が合わない、
例えるなら男尊女卑で当たり前だと思っていた価値観が
男女平等の時代になったことで、その価値観を粛々と
受け入れていかなければならないような構図でしょうか。

男尊女卑の価値観という古いパターンを根絶やしにすることが
男女平等の社会では求められている、というように
何らか気付かされることがあるでしょう。

内なる野心と欲望があるが、その書き換えを余儀なくされる、
その過程で自分が一番大事にとこだわっていたことを捨てねばならない。

自分の深淵の中でのこだわりを捨てて、
さらにはこれまで身につけてきたものが手広いと
それを集約しなくてはならなくなる意味で「破壊」が起きます。

3つの惑星の中でも相当に辛いと言われ、
折れてしまった故に隠遁を余儀なくされることもあると言います。

この危機に勝ち抜くことができれば自身の火星が相当強固なものになり、
これから先の危機にもちょっとやそっとではビクともしないと言われています。

中年の危機の対処について

中年の危機

天王星、海王星、冥王星とそれぞれのパターンで見てきました。
いずれにおいても、今の時代の流れと、
自分の生まれた時代における価値観にズレがあって
それを時代において再調整しなければならない、という感じのことが起きると思われます。

人は大体43歳前後でキャリアの進行が滞る、と言われています。
深淵の中にある思想、夢、臨機応変な思考というのが
自分の無意識エリアという、ちょっとやそっとでは手出しできないところにあるので
その書き換えが必要だとしても、わかっていても辛い…、
というところでしょうか。

この危機的状況というのを乗り越えるにはどうするか、で言えば
36〜45歳までの年齢が火星期であることからも
火星を有効活用すべし、とは言われています。

火星とは生きるためのエネルギー。どこに対して情熱を傾けるか。
火星はトラブルを振り払うための熱意、拒否力を示します。

私の例で言えば2ハウス天秤座火星で、
調和的な活動に対して尽力して、お金を稼ぐ(ひいてはお金になる仕事に熱を入れる)
というところが大事になってくるのでないか。

また火星が示すのは筋肉であるとか運動的なものを示すので
根本的なところになるが、火星を使えるようにするというのなら
身体を動かすことも大事になってくる。

この時期に心折れてしまうと、あまりにもハードすぎることから
世間を離れてしまう、という可能性もあるのです。

そのために心が折れないように火星エネルギーをしっかり持って闘います。

総括

火星

火星というエネルギーは、使わないとトラブルを振り払う、
という形で使わされるので、
それに相応しいトラブルというものが用意されてしまいます。

火星がノーアスペクトの人で、不良のような人に絡まれる、
というケースが多いと言われるように。

時代やトラブルの流れを受け入れるにせよ、拒否するにせよ
火星による熱量が必要で、それは戦いに勝ち抜くためであり、
自分がこの社会で生き残りを図るためにあるのです。

中年の危機というのはいわば、今まで住んでいた土地が
火山で吹き飛んでしまうようなもの。

その消火活動でなんとか住めるようにするか、
あるいは他の島に住むように計らうか?

どちらでも「火星」の獲得するエネルギーを使うことになりますが
火山が起きた場所に住むわけにいかないから
他の移ることが懸命でしょう。

そのことを通して今まで積み上げた「こだわり」を捨てること。

自分の持っていたものや仕事を誰かに引き継ぎしたり、
あるいはいらないものを捨てたり。

そのことが「中年の危機」の際のリカバリに対してスムーズにさせてくれるでしょう。

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