山羊座の元になったのは牧神パーン、
彼は元々上半身が人間、下半身が山羊、という半獣半人でした。
それが慌てふためて逃げ果せようと魚に姿を変えようとして
上半身が山羊、下半身が魚という何とも中途半端な姿を
神々に笑われ、星に上げられたという逸話を持ちます。
中途半端な姿ゆえに、中途半端が嫌いな完璧主義者を目指す?
そして半獣半人はバフォメット、山羊は悪魔の象徴として描かれることもあり
タロットでは「悪魔」、惑星は「悪魔の星」と言われる土星がルーラー。
この磨羯宮における「魔」に連なる部分の考察。
もくじ
山羊座という物理次元の支配者

山羊座のシンボルにおいて上半身が山羊、下半身が魚、という姿です。
山羊の部分は、「地」に足ついて山の頂上を目指そうとする山羊、
すなわち「現実主義」、成果を残そうとする完全主義の部分を示すなれば
魚という部分はその逆で心、想像性やスピリチュアリティも富む、と取れます。
山羊座というと現実性、枠組み、物質世界を統べる
物理エネルギーの色合いが濃いサイン、という意味で取られ、現実主義、
厳格なる検品にて漏れのない完璧さ、社会そのもの、
ビジネスにおいて確実に結果を出す意味合いで取られることも多いでしょう。
それだけに山羊座のシンボルで「魚」の理想、スピリチュアル、感性の部分がある、
というのも何だか不思議な感じもするでしょう。
山羊座というと、なんとなしに「目に見えるものだけが真実」と重視してて
普段はその部分をスルーしてそうだが。
その「無視してきた心」の部分が蟹が入ってくる16度以降に現れてくる、と言えるのでないか。
火とか水だと割と適当な傾向があるが、地エレメントは文字通り
「地に足ついている」ので、どのサインにおいても
「いい加減なのが許せない」部分があり、山羊座というのが最たるところ。
山羊座は「歴史や伝統」「チームとしての和」を重んじるサインで、
社会性が強く、社会において必要な能力というものを
どういったハウスの場でも関わりを持とうとします。
山羊座においてはルーラーである土星の力を使って余計なものを消しとばし収縮し、
固めていく作用を持っています。
冷やして固める、そして見えて手に触れられる形にします。
前後2つのサインが何かと飛躍する傾向がある(射手、水瓶)ので、
常識人というかブレーキやら抑えやらの役割を担っている部分もあるイメージですが
実際のところ山羊座は物理世界の管理人、支配者として君臨して
目に映るものの制御をし、ヒエラルキーに何よりもこだわる、
何よりも物質世界を統べることを望んでいる、
どんな手を使っても山の頂上、社会において収まりの良い場所を求める。
ひたすらに無駄を省いて成果を出そうとする有様というのは
ある意味、前後の2サイン以上に飛躍した思考を持っている、と言えるかもしれません。
山羊座のシンボルと「悪魔」のカード

山羊の頭に人間の胴体を持つ「悪魔」であるバフォメットと呼ばれるものと
山羊座の逸話の元になった、半分が山羊で半分が人間で成り立つ牧神パーンは
どことなく連なるものがあります。
諸説ありますが、山羊は古来西洋においては「悪魔」と同一視されていました。
故に山羊座においては大アルカナである「悪魔」が割り当てられている、
ということでしょうか。
物理世界を統べる山羊座において、タロットは「悪魔」「世界」、
ペンタクルは2〜4に相当。
ペンタクル2〜4のマイナーなヌーメラルカードは
2がバランスをとる有様、3がチームワークにおける仕事、
4が自らが得た地位や財産の保守を示すところ。
いずれも山羊座における社会性と地位、
ビジネスにおける成果を上げるための活動、というところを窺わせます。
「世界」というのは「土星」が象徴する社会的ゴール、
社会において時間をかけてでも完成させたい、達したいものを示すのです。
そして「悪魔」のカード。
78枚のタロットにおいては暗いデザインがされていて
あまり良いイメージの湧きにくいカードなのが伺えます。
好かれ難い印象の方が強いのでないでしょうか。
そういうわけで、この「悪魔」のタロットの解釈が何とも微妙な有様であるが、
「悪魔」は山羊座のルーラーである土星にも連なるところ。
旧占星術において土星が最終到達地で、
物理次元は全てが土星が支配する、と言われています。
時間であるとか、ルールであるとか、しきたりや目に見えるもの、
というマトリックスを支配する力を持つのが土星です。
土星は、もとい「悪魔」のカードというのは
お金やヒエラルキー、枠組みといった物理世界そのもの、と取れないでしょうか。
だから「悪魔」のカードも同様に物質次元での成功であるとか
「「物質世界」限定であるが恵まれている」とも取れる。
一見すると暗いカードであるが、「悪魔」のカードは土星原理だから。
磨羯宮も「魔」に連なる系譜と言えばそうなのか?
このサインはヒエラルキー、階級なるものに連なり、
たちまち権力争いがあればそこに巻き込まれたり、勝とうとしたりするもの。
お金に関しても抜きさしならない事情がある。
「悪魔」のカードは物理世界そのもの、とするならば
「人の子である以上は、土星のしきたりの眷属である」
というだけなのかもしれません。
人は誰もが土星原理、ルールを誠実に遵守して生きています。
それも「悪魔」の教義といえばそうかも分かりません。
されど、物理次元をあまねくルールに甘んじるのも、踏み倒すも自由。
その証拠に「悪魔」のカードの鎖は、人を縛っているようで
束縛から抜け出せる程度には緩んでいる。
実際のマトリックス、現実世界において
そのことに気づいて鎖から抜け出せる人間がどれだけいようかー!?
総括

山羊座のシンボルの背景から行って「完璧主義」になって
何かと足らないような感じがあったり、
そのような中でも物理次元で形あるものを残せるよう
社会に対して貢献して紡いでいく、といった形が
「悪魔」のカードを深読みすると見れる、という感じでしょうか。
物理世界には潤沢なお金や誰もが羨む地位というものがある、
そこに目が眩んでしまうとそれぞ悪魔の思う壺ー、ということでしょうか。
